『竜とそばかすの姫』で伝えたいことは?物語の展開の意味も考察

皆さんこんにちは、アイスです。

  • 『竜とそばかすの姫』を見たけど、何を伝えたかったのかよく分からない
  • 『竜とそばかすの姫』を見た人の考えを知りたい

という人に向けた記事となっています。

ネタバレを含んでいます。ご注意ください。

また、あくまで個人的な考えです。あらかじめご了承ください。

『竜とそばかすの姫』-伝えたいこと

あくまで個人的な解釈となります。

ご注意ください。

私はこんなことを伝えたいのかなと思いました。

・自分を犠牲にしてでも見ず知らずの他人を助けられるか
・当事者でなければ思いは伝わらない

1つずつ見ていきましょう。

自分を犠牲にしてでも見ず知らずの他人を助けられるか

「見ず知らずの他人を、自分の犠牲にしてでも助けられるか」ということを伝えたいのではと思いました。

本作の主人公・「内藤すず」(すず)は内気であり、トラウマがきっかけで歌を歌うことが出来なくなってしまった女の子です。

すずは、仮想世界「U」で「Belle」(ベル)というアバターを通じて、世の中に歌声を披露し有名になっていきます。

その知名度は世界にまで広がり、「U」でライブを開催すると人が殺到するほどです。

でも、すずはそんな知名度や地位を捨ててでも、「竜」のオリジンである「恵」を救う選択をしました。

恵はいわば仮想世界「U」で知り合い、少しだけ共に過ごしただけの「他人」とも言える存在です。

しかし、助ける対象が他人にだからこそ、「ベル」というもう1人の自分を手放したことに大きな意味を持ちます。

他人を助けるために、これまでの功績を捨てて手を伸ばせるか。

安全な場所からではなく、同じ目線に立てるのか。

そんなことを伝えたいのではないのかなと思いました。

当事者でなければ思いは伝わらない

2つ目は「当事者でなければ思いは伝わらない」ということを伝えたいのではないかと思いました。

竜のオリジンである恵と弟の知は、父親から虐待行為を受けていました。

恵はずっと「助ける」という言葉を聞いてきましたが、状況は変わらず、口先だけの言葉で同情されるだけであるため心を閉ざしていました。

傍観者のままでは、その声は響かないし届きません。

でもすずは自らを巻き込んで当事者となり、恵たちに言葉を発しました。

「ベル」という、もう1人の自分を捨て、恵たちを救おうと行動します。

傍観者ではなく当事者として戦ったのです。

確かに解決はしたかは分からなかったし、そもそも他者が介入することは難しい問題だと思います。

でも、そんなすずの声や姿は、恵たちにハッキリと見えていました。

そして、すずの母親も傍観者ではなく当事者として、川の氾濫から男の子を救っています。

傍観者として安全圏から声をかけたり、あーだこーだ言うよりも、当事者として思いを伝えたり行動する。

本当に助けたいと思うのであれば、当事者であること。

そうすることで思いは伝わる、ということを伝えたいのではないかと思いました。

『竜とそばかすの姫』-物語の展開の意味を考察

ここからは簡単な考察です。

あくまで個人的な解釈なのでご了承ください。

考察することは以下です。

・すずの行動は母親の行動と同じ
・すずが竜を助けることに感情移入できない

それぞれ見てきましょう。

すずの行動は母親の行動と同じ

本作は、すずが母親と同じ行動ができるようになることが、物語の1つのテーマとなっているのではないかと考えています。

すずの「母親」は見ず知らずの他人である男の子を、すずの呼びかけに静止することなく助けて亡くなっています。

そしてすずは、その出来事がきっかけで、トラウマを抱え歌を歌えなくなりました。

また、母親がなぜ自分を置いて他人である子どもを助けたのか、理解していませんでした。

ですが、母親と同じように自分の「ベル」という大切な物を顧みず、他人である恵を助けています。

つまり、「すず」の行動は「母親」が起こした行動そのものです。

今まで理解できていなかったことを、すず自らが体現して見せています。

このようなことから、すずが母親のように行動できるようになることが、本作の物語のテーマなのではないかと思いました。

すずが竜を助けることに感情移入できない

ネットで評価を見ていると、「すずが竜を助けることに感情移入できない」という感想がたくさんありました。

私も、最初はそう思っていました。

「すずはなんか竜のことがずっと気になっているし。」

「すずがなんか1人で東京まで行ってるし。」

「なんで他人なのにそこまでするのか分からない。」

みたいな感じで、モヤモヤが残っていました。

ですが、上記で書いたように「竜とそばかすの姫」という物語が、「すずが母親と同じように他人を助けるために行動できるようになることがテーマ」、と考えるのであれば辻褄が合います。

すずは母親と同じ行動をしなければなりません。

母親と同じように、1人でずぶ濡れになりながら大切なものを顧みず、他人に手を差し伸べなければならないのです。

そして、この他人というのがポイントです。

つまり、助ける対象が他人であることを、強調しなければならないのです。

すずと竜()の関係について、他人以上ではダメなのです。

私たちがすずと恵(竜)の関係を、他人以上のものだと見てしまったら、この物語は完成しません。

2人の関係を「まぁ、あれだけ大切な人だったら、あんな風に助けるよな」と考えてしまっては、母親と同じ行動ではなくなってしまいます。

なので、見ている私たちはすずに対して、「いやでも他人だよね。そこまでする必要ある?」と思わなければならないわけです。

すずがずぶ濡れになりながら東京で走り回ったのも、母親と重ねる必要があったからです。

だいぶ考えが飛躍しましたが、こうすることで「すずは殻を破り、母親と同じように行動できるようになった」ということを演出したかったのではないのかなと思いました。

まとめ

今回は「竜とそばかすの姫」について、伝えたいことと物語の展開について考察をしました。

本作は物語だけでなく、「ベル」のライブシーンや歌にもかなり力を入れて作られています。

ミュージカルの要素もかなり詰まった作品ですので、見たことが無い人はぜひ見てみることをおすすめします。

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