BanG Dream! It’s MyGO!!!!!がなぜ鬱アニメなのか・なぜきゅうり?などを考察

こんにちは。

この記事では、「BanG Dream! It’s MyGO!!!!!」がバンドリなのに鬱アニメと呼ばれている理由、それでも見た方が良い理由、そして作中の気になったことについて考察しています。

・「It’s MyGO!!!!!」が鬱作品と言われている理由を知りたい人
・本作を見ようか迷っている人
・人の考察や解釈が知りたい人

このような人はぜひ最後まで見てくださいね。

あくまで個人の感想であること、また、ネタバレを含むのであらかじめご了承ください。

私は本作を放送当時は見ていませんでしたが、後で全話視聴してからは「なんで放送しているときに見なかったんだろう」と後悔しました。

「BanG Dream! It’s MyGO!!!!!」が鬱作品と呼ばれる理由

本作の内容を簡単に紹介すると、5人の女子中高生たちが様々な障害を乗り越えてバンドを組み、成長していくというものです。

ストーリーラインとしては、そこまで目新しくないですが、なぜ鬱作品と呼ばれているのでしょうか。

それはギスギス・ドロドロが絶えないからです。

全編通してメンバー同士がギスギス・ドロドロしていて、キャラクターたちの醜さやエゴが前面に押し出されています。

一見他人のことを考えているようで実は誰も考えることが出来ておらず、メンバー全員が自分勝手なのでバンドとしてまとまるどころか、すれ違いや言い合いが絶えません。

ずっとキレてる人いるし、野良猫みたいに自由すぎる人いるし、表面ばかり取り繕おうとする人いるしで性格の癖が強いです。

そして、「このキャラクターこんなこと考えてるの?」、「え……そこでそれ言うの?」みたいな感じで、何かしら人間関係の爆弾抱えて爆発しての状態で進みます。

実際に見ていて、その場に居たら居心地の悪さで消えてしまいたくなるようなネガティブさ、苦しさが画面越しに伝わってきました。

また、各々が抱える生きづらさを存分に描写しており、一つ間違えるとすべて崩れ去ってしまうような個人の不安定さが表現されています。

このようにバンドとしての華やかさ以上に、メンバー間のギスギスやドロドロが描かれているのです。

もちろんずっと暗い展開だけじゃなく、微笑ましい場面や楽しい展開もありますが、全体としてやっぱりギスギスしてます。

だからこそ、私たちの感情も急転直下のジェットコースターみたいにグルグル動き回ります。

このように胸が痛くなるギスギスを描いている展開だからこそ、鬱作品と呼ばれるようになったのかなと。

こんな展開が大体9話まで続きます!

それでも見た方が良い理由

それでも見た方が良い理由は、人間臭さがあるアニメだからです。

もっというと強烈な感情が乗っているからです。

性格、行動、声色、仕草、楽曲

すべてに強烈な感情が乗っています。

また、先程メンバー全員が自分勝手と言いましたが、その自分勝手な感情は決して理解できないものではなく、むしろ私たちにとっても身近に思える感情。

例えば、皆さんにも過去のトラウマや思い出したくない失敗ってあると思います。

そういったトラウマを前にすると、逃げ出したくなりますよね。

本作のキャラクターでもトラウマを抱えている人物がいるのですが、トラウマを前に逃げ出してしまうのです。

何度も何度も正論から逃げる姿が描かれています。

表面繕ったキラキラのみならず泥臭さやもがく姿が映し出されており、感情が剥き出しだからこそ胸を打たれます。

その姿は、まさに現実世界の私たちと同じで等身大の姿に見えてくるのです。

描かれてる人間ドラマが等身大の姿だからこそ、心を掴まれて目が離せなくなります。

また、見て欲しい理由はもう一つあります。

それは感動的な第10話「ずっと迷子」があるからです。

今まですれ違いをしてきた5人が初めて向き合えた回。

ギスギスして尖りに尖りまくった本作ですが、10話があるからこそ完成すると言っても過言ではないです。

作中で「詩って伝わる気がするよね。上手に言えないことも言葉以上に気持ちが」というセリフが出てきますが、まさに詩の魔力を肌で感じた回であり、心の底から見て良かったと思っています。

そして詩が歌になる瞬間の高揚感は「MyGO!!!!!」でしか味わうことの出来ません。

1話から緻密に練り上げてきたからこそ、心に刺さる正真正銘の神回。

今まで溜まりに溜まった苦しさが、待ってましたと言わんばかりに一気に晴れていきます。

第10話まで見た後は、雨上がりの空のような心になれるはず。

「BanG Dream! It’s MyGO!!!!!」は、剥き出しの感情が描かれているからこその人間臭さと正真正銘の見て良かったと思える神回があるからこそ、見ていない人にはぜひ見てほしい作品なのです。

元気がもらえます。

「BanG Dream! It’s MyGO!!!!!」考察

ここからは気になった部分について考察します。

考察するのは以下についてです。

・迷子の「長崎そよ」
・似ている愛音とそよ
・祥子とそよの対比
・正反対の「Ave Mujica」と「MyGo!!!!!」
・「若葉睦」の差し入れがきゅうりの理由

ネタバレありなので、まだアニメを見ていない方はブラウザバックを推奨します。

個人的な妄想を前提に楽しんでもらえると嬉しいです。

迷子の「長崎そよ」

この作品で恐ろしいほど人間味を感じ、惹かれたキャラクターです。

やっぱり惹かれたのは、そよさんの持つ二面性。

メンバーみんな迷子でしたが、特に「長崎そよ」という人物は、作中でたくさん迷子になっていました。

まずは両親の離婚。

離婚前は狭い部屋でありながらも、家族3人仲良く暮らしている描写があります。

ですが、離婚し母親と暮らすようになってからは1人で暮らす時間が増えてしまい、そよさんにとってその生活は寂しいもので、個人的に一人迷子になっているように感じました。

中等部から入った学校でも、居場所を見つけるために必死で周りに合わせています。

ですが、その同調は彼女の本心ではないため、心はずっと迷子。

そして、CRYCHICで居場所を見つけましたが解散してまた迷子。

MyGO!!!!!でも、CRYCHICの復活を求め続けて一人ずっと迷子でした。

このように、そよさんは作中の中でずっと迷子なのです。

そして、迷子のそよさんを連れ戻したのは愛音たちなのでした。

似ている愛音とそよ

個人的に感じたことなのですが、愛音とそよさんは似ているなと思いました。

行動だったり、表面を繕おうとする姿でしょうか。

例えば、1話で愛音が燈をバンドに誘った理由は、羽丘の不思議ちゃんと呼ばれている燈を誘うことで目立とうとするためでした。

2話でそよさんがバンドを組んだものCRYCHICを復活させるためで、それはそよさん自身のエゴでした。

ここで、どちらも打算的に考えてバンドを組もうとしていたことが分かります。

他にも、愛音とそよさんは周りに馴染むことに必死になっていたりなど。

後は誘いの断り方です。

愛音は「考えとく」、そよさんは「どうしようかな」です。

どっちも断わるための言葉遣いのニュアンスが似ています。

そして最後は愛音の「そよさんも人間なんだなぁ」というセリフ。

”も”という所が愛音自身と重ねているのではないのかなと。

「裏表すごいし、嘘つきまくり出し、意地悪いところとかあるでしょ」

ブシロード「BanG Dream! It’s MyGO!!!!!」第10話:千早愛音

自分の思い通りにするために嘘はつくし、意地悪いこともする。

これも愛音にも繋がるセリフです。

そして、MyGO!!!!!を一番最初に結成させたのは愛音とそよさんです。

だからこそ、第10話での愛音の言葉と行動が意味を持ってくると考えています。

迷子のそよさんを引っ張り上げたのもまた愛音。

このように考えると、2人は似た者同士であり、第10話では今まで積み重ねた2人のやりとりが意味を持つ演出となりました。

祥子とそよの対比

次に祥子とそよさんの対比ついてです。

私はこの2人が家庭環境について、対比されていると思っています。

まず、祥子の様子から家庭環境に何らかの問題があったことは明らかです。

そして最終話から、父親との2人暮らしであることが判明し、お酒などが散らかっていることから、荒れた家庭環境だと分かります。

反対に、そよさんは両親が離婚後、母親の頑張りによってタワーマンションに住めるほどの暮らしを手に入れました。

ここで、祥子とそよに影響を与えたのが父親と母親という対比、祥子はお嬢様から庶民へ、そよは庶民からお嬢様へという対比がされているのです。

正反対の「Ave Mujica」と「MyGo!!!!!」

「Ave Mujica」と「MyGo!!!!!」でも対比関係はあります。

居場所を捨てざるを得なかった祥子が集めたバンドが「Ave Mujica」。

居場所を見つけた燈が集めたバンドが「MyGo!!!!!」。

というように結成した背景を見ると、正反対であることが分かります。

また、ライブでも対比させていると思われます。

「Ave Mujica」は緻密な世界観をつくり、仮面ですべてを覆うスタイル。

反対に、「MyGo!!!!!」はライブで自分たちのすべてをさらけ出すスタイルでした。

このように、バンド単体でも対立関係があるのです。

「若葉睦」の差し入れがきゅうりの理由

12話で睦は「MyGo!!!!!」にきゅうりを差し入れします。

なぜきゅうりなのか、理由を考察していきます。

個人的に3つの可能性があるのかなと。

・純粋に大事に育てたからもらって欲しかった
・お笑いみたいなノリで差し入れた
・そよさんへの想いを込めた

1つずつ見ていきましょう。

純粋に大事に育てたからもらって欲しかった

本編で、睦が大事にきゅうりを育てているシーンが出てきます。

なので、「大事に育てて収穫できたから、そよたちにも食べてもらいたい」という思いがあったのかもしれません。

お笑いみたいなノリで差し入れた

睦の母は女優、父はお笑い芸人です。

お笑い芸人の血を引き継いでいるので、面白さ狙いできゅうりを差し入れたというのも考えられます。

そよさんへの思いを込めた

3つ目はそよさんへの思いを込めたという可能性です。

根拠は、そよさんへの「良かったね」という発言と、きゅうりの花言葉です。

まず、なぜそよさんから感想を求められたとき、「良かったね」と言ったのでしょうか。

「良かったね」という発言、”ね”は、どこか他人事というか憐れみを向けているようにも思えてしまいます。

ですが、睦自体はそんなことを思っておらず、ただ純粋にそよさんへの労いといった思いを込めたのではないでしょうか。

きゅうりの花言葉は「洒落」です。

洒落(しゃれ)ですが、「しゃらく」とも読むことが出来ます。

そして「しゃらく」の意味を調べると、「心、ふるまいなどがさっぱりしていて執着しないさま」と出てきました。

そのため睦は、そよさんに対して「CRYCHICをきれいさっぱり忘れられるバンドに出会えてよかったね」という思いがあったのではないかなと。

そのような思いを持っているのであれば、「良かったね」という発言にも頷けます。

ですが、そよさん自体はCRYCHICのことを今でも大事に思っているし、崩壊したのは睦のせいだと考えていました。

だからこそ、「CRYCHICをずっと忘れることは無いし、なんで崩壊させた一番の原因である睦にこんなことを言われないといけないの」という意味で突っ返した。

きゅうりにそよさんへの思いを込めているのであれば、このような意味が一連の流れに込められているのではないかという考察でした。

まとめ

今回は、「BanG Dream! It’s MyGO!!!!!」がバンドリなのに鬱作品と呼ばれている理由、それでも見た方が良い理由、そして作中の気になったことについて考察しました。

バンドリということで、ソシャゲやアニメでも長い歴史があること、さらにネットでは鬱作品と言われているため、初見であればなかなか見ようと思えないかもしれません。

私も最初はそうでした。

ですが本作は、私たちと同じような等身大のキャラクターたちが、迷子になりながらも前に進む姿を描いているアニメです。

人間ドラマを見られるアニメですので、ぜひ見てくださいね。

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