『また、同じ夢を見ていた』感想・考察【伝えたいことは?】

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皆さんこんにちは。

この記事では私なりに考えた『また、同じ夢を見ていた』の伝えたいことや感想・考察を紹介しています。

『また、同じ夢を見ていた』に興味がある方はぜひ読んでいって下さい。

こんな人におすすめです。

・幸せについて考えたい人
・伏線が回収されていく物語に興味がある人
・優しい物語を読みたい人

あらすじ

少しおませで「人生とは…」が口グセの小柳奈ノ花という女の子がいました。

奈ノ花には「尻尾のちぎれた猫」、自分を傷つける「南さん」、かっこいい大人の「アパズレさん」、マドレーヌを焼くのが上手な「おばあちゃん」と、たくさんのお友達がいます。

ある日、学校の宿題で「幸せとは何か?」について発表することに。

友達と一緒に幸せとは何かを考えていく。

そんな物語です。

概要

『また、同じ夢を見ていた』基本情報

  • 著者:住野よる
  • 出版社:双葉社
  • 出版年:2016年
  • 装画:loundraw(ラウンドロー)

マーチという名前の猫について簡単な考察

ここからはネタバレありです。

あくまで妄想なので、あらかじめご了承ください。

夢の猫とは別で、成長した奈ノ花の家にはマーチという猫がいます。

このマーチという名前ですが、「三百六十五歩のマーチ」から名前を取ったのかなと。

作中でたびたび、「しあわせはあるいてこない」という言葉が出てきますが、これは三百六十五歩のマーチの歌詞です。

このことから、マーチの名前の由来は、「三百六十五歩のマーチ」から来ていると考えました。

伝えたいこと

ネタバレ含みます。

あくまで個人の感想なので、こんな考えもあるよねぐらいで読んでいただけると嬉しいです。

わたしは「幸せは誰のものでもなく自分のためにある」ということを伝えたいのではないかと思いました。

度々、「しあわせはあるいてこない、だからあるいていくんだね」という言葉が登場します。

成長した奈ノ花は、言葉の通りに自分の幸せを選んでいくようになりました。

「南さん」「アパズレさん」「おばあちゃん」の3人と出会って別れて、成長していく中で3人についてだんだんと知るように。

それでも3人が大好きで、少しでも近づけるように生活しています。

ですが、成長した奈ノ花は誰のものでもない、今生きている奈ノ花自身の幸せを追い求めています。

幸せになるために。

「南さん」と「アパズレさん」は自分の幸せを生きるために元居た場所に戻り、「おばあちゃん」も自分の幸せを見つけていました。

このように幸せは自分自身のためにあって、幸せの形は自分で選べる。

「自分のために幸せになっていい」ということを伝えたいのかなと思いました。

感想・考察

ネタバレ含みます。

夢を通して小学生の奈ノ花に、後悔を伝えていくという物語が素敵だと思いました。

それぞれ、小学生の頃の奈ノ花がターニングポイントとなって後悔が生まれています。

登場人物の後悔ですが、

  • 「南さん」は仲直りできず親と死別してしまった奈ノ花
  • 「アパズレさん」は誰とも関わらず1人で生きてきた奈ノ花
  • 「おばあちゃん」は桐生くんの味方になれなかった奈ノ花

と、思っています。

3人の奈ノ花は、小学生の奈ノ花が幸せでいられるように手を差し伸べ、それぞれがしてきた後悔を教えています。

すべてを教えるわけでもなく諭すように。

この優しい流れが本当に涙がでました。

また、未来の奈ノ花が過去の奈ノ花を助けると同時に、過去の奈ノ花も未来の奈ノ花を助けています。

つまり、奈ノ花自身の助け合いとなっているのです。

小学生の奈ノ花は、「南さん」には自分がここにいてもいいと思えることを。

「アパズレさん」には生きる希望を与えています。

「おばあちゃん」は難しいですが、「私の人生は幸せだった」ということを過去の自分へ伝える機会を与えられたことでしょうか。

色々なことがあったけど、全部をひっくるめて幸せだった。

そんなことを、おばあちゃんは伝えていました。

このように、お互いが助け合えたことで元居た場所に戻り、再び幸せになるために生きていくのかなと思います。

読み終わって幸せな気持ちになりました。

この本を読んで本当に良かったです。

生きる希望を貰えたというか、幸せになるために生きていこうと思えました。

わたしも幸せとは何か、考えながら生きようと思います。

まとめ

今回は『また、同じ夢を見ていた』について、作者が伝えたいことや感想を紹介しました。

読んだ後、幸せな気持ちになる小説です。

ぜひ、手に取って読んでみてください。

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