こんにちは。
この記事では「君の膵臓をたべたい」のあらすじや、作者が伝えたいことについて、通り魔を物語に組み込んだ理由についても触れながら、私なりに考えたことを紹介します。
最後まで見れば
・なぜ通り魔を物語に組み込んだのか
・通り魔事件を組み込んでまで伝えたかったこと
について知ることが出来ます。
「君の膵臓をたべたい」のあらすじ
主人公の「僕」は人に興味がありませんでした。
ある日、病院で「共病文庫」という名前の本を拾います。
内容は膵臓の病気で、もう長くは生きられないというもの。
その本の持ち主はクラスメイトの「山内桜良」でした。
「僕」はこの出会いから、彼女のやりたいことに付き合うようになります。
そして、人との関わりに興味が無かった「僕」は、次第に彼女との日常を楽しむように。
しかし、桜良は通り魔事件に巻き込まれ、亡くなってしまいます。
「僕」はそんな彼女の遺した共病文庫を読むために、桜良の家へ向かうことを決意したのです。
「君の膵臓をたべたい」が伝えたいこと
ここからは「君の膵臓をたべたい」が伝えたいことについて紹介します。
誰かと心を通わせてほしい
「誰かと心を通わせてほしい」ということを伝えたいのかなと思いました。
桜良は生きることについて、「誰かと心を通わせること」と言いました。
笑いあったり触れ合ったり、そうやって生きることで1人では味わえない充実感を得ることが出来ます。
もしかしたら、その充実感は辛いことや壁に当たったときの、乗り越えるための心の糧になるかもしれませんし、一歩を踏み出すための勇気にもなるかもしれません。
春樹は、桜良から一歩を踏み出す勇気をもらっています。
春樹は最初、人との関わり合いに興味がありませんでしたよね。
ですが、彼女と何気ない日常を過ごしたことで、彼にも変化が訪れました。
過ごした日常というのは、桜良だけでなく、春樹にとってもかけがえのない日々に。
心の支えとなっていました。
ですが、桜良が亡くなったことで、その日常は終わりを迎えることに。
その出来事は、春樹にとっても悲しい出来事だったはずです。
このように、誰かと心を通わせることは充実感も得られますが、同時に深い傷を負うことも。
ですが、その経験は必ず意味を持ちます。
春樹は桜良の死を経験してもなお、彼女からもらった勇気を持って、「親友の恭子と友達になる」という一歩を踏み出すことができました。
そんな春樹の姿は、間違いなく「生きている」と言えます。
そして、春樹が生きられるようになったのは桜良がいたからです。
春樹と心を通わせた桜良も、間違いなく生きていました。
本作はそんな風に「生きる」2人を描いていることから「誰かと心を通わせてほしい」ということを伝えたいのかなと思います。
なぜ通り魔事件を物語に組み込んだのか考察
ここからは「君の膵臓をたべたい」が伝えたいことについて、なぜ通り魔事件を物語に組み込んだのか考察と共に紹介していきます。
1つの考えであることを前提に楽しんでもらえると嬉しいです。
桜良は膵臓の病気で、近い将来に亡くなることは決まっていました。
ですが、膵臓の病気で亡くなるのではなく、通り魔の事件に巻き込まれる形で亡くなります。
その結末はとても意外でショッキングでしたよね。
なぜこのような形になったのか、疑問に思う人も多いと思います。
理由として、読者の予想とは異なる展開を盛り込みたかったということも考えられますが、私は「作者に伝えたいことがあったから」だと考えています。
その伝えたいこととは何なのか。
通り魔事件を組み込んでまで伝えたかったことは
毎日を大切に思って生きてほしい
「毎日を大切に思って生きてほしい」ということを伝えたいのかなと思いました。
桜良にとって、一日の価値は「余命宣告されていても、そうでなくても変わらない」という考えを持っています。
彼女は、特別なことをやるんじゃなく、当たり前の日常を楽しく生きていました。
ですが、余命を待たずに亡くなってしまいましたよね。
明日を保証されているという事実はどこにもなくて、誰もが好きなアニメの最終回を見られるわけではありません。
残りの命が少ないからと言って、その短い人生を最後まで保証する神様もいません。
予定調和の命なんてないのです。
ですが、自分はおろか身近にいる人に対しても「明日も明後日も会えるよね」という潜在意識を持って生きている人が多いと思います。
私もそうです。
しかし、そんな当たり前は決して無くて、桜良が命を落としたように身の回りの人との別れが突然やってくるかもしれません。
だからこそ、伝えたいことは手遅れになる前にちゃんと伝えて、少しでも後悔の無いように生きる。
いつもと変わらない日常を楽しむ。
そうやって「毎日を大切に生きてほしい」ということを伝えたいのかなと思いました。
まとめ
今回は「君の膵臓をたべたい」が伝えたいことについて、なぜ通り魔事件を物語に組み込んだのかにも触れながら紹介しました。
桜良の最後の結末に、胸の中にぽっかり穴が空いてしまうような気持ちになる物語ですが、同時に感動させられます。
「君の膵臓をたべたい」には、他にもまだまだメッセージはあると思います。
ぜひ、あなたもそのメッセージを感じ取ってみて下さいね。
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