こんにちは。
久美子3年生編の放送も決まった『響け!ユーフォニアム』。
この記事では『響け!ユーフォニアム』に登場する「田中あすか」のセリフ「ユーフォっぽい」とはどういうことなのか、夏紀も「ユーフォっぽい」のかを考察しています。
個人の勝手な解釈と妄想を前提に楽しんでいただけると嬉しいです。
気になる方は、最後まで見てくれると嬉しいです。
それでは行きましょう。
ユーフォニアムの特徴
ユーフォニアムの特徴として
・メロディー、裏メロなどなんでもこなせる万能な楽器
・実はそこまで知名度が高くなかった
というような特徴があるそうです。
あすかが「ユーフォっぽくない」理由
まずは、どうしてあすかは自分を「ユーフォっぽくない」と思ってしまったのか考察していきます。
作中であすかは自分のことを「ユーフォっぽくない」と言っています。
「私、自分のことユーフォっぽくないってずっと思ってたんだ。だから黄前ちゃん見たときびっくりしたの。こんな…こんなにユーフォっぽい子がいるんだって。」
『響け!』製作委員会『響け!ユーフォニアム』:田中あすか
なぜあすかは自分を「ユーフォっぽくない」と言ったのか、ユーフォニアムの特徴から考えていきます。
上記で述べた通り、ユーフォニアムは温かい音色で演奏を支えるという特徴があります。
また、楽器人気についてもアニメが流行るまで知名度は高くなく、アニメでは希望通りにならなかった久美子が周りの流れで吹く形になっていました。(ユーフォニアムの人気がないのではなく、他の楽器が人気すぎるという見方もあります)
「黄前ちゃん、ユーフォ好き?(一部省略)私はさ…好きなんだよ…、コンクールなんてどうでもいいと思えるくらい。」
『響け!』製作委員会『響け!ユーフォニアム』:田中あすか
このセリフから、あすかがユーフォニアムを愛していると同時に、コンクールを何とも思っていないということが分かります。
あすかは「一人で吹ければそれでいい」というスタンスであり、そこの本質にコンクールで吹きたいという意思はなく、人間関係についても「あくまで自分のため」という利己的な考えが前提としてあります。
集団での立ち位置も、「特別だから」という理由で崇められているおかげで、集団の中の1人になることはできません。
このように、1人でも輝けてしまうあすかは、集団の演奏で良さを出すユーフォと重ねて、自分をユーフォっぽくないと思っているのかなと。
また、ユーフォニアムを父親との唯一のつながりと考え、確固たる意志を持ってユーフォニアムを吹いています。
このようにあすかはユーフォニアムの持つ性質と全然合っていないのです。
では、仮にあすかが「ユーフォっぽい」という概念から対極の位置にいる人間だとしたとき、あすかの反対にいる人間が「ユーフォっぽい」人間になると仮定します。
その時、久美子はどうでしょうか。
あすかと反対の久美子
久美子は好奇心が強く、周りの人間関係に首を突っ込み、失言して本質を突いてしまいますが、あすかと違ってそこに利己的な考えはありません。
もっと言うと人間関係を打算的に考えていません。
そして、良くも悪くも「普通」の存在として集団に溶け込んでおり、客観的に見ていながら周りに流されてしまう性格です。
ユーフォニアムも周りに流されるまま選びました。
こう考えると、久美子とあすかは正反対同士であるとも言えると思いませんか?
「ユーフォっぽさ」の対極にいるあすかだからこそ、久美子の「ユーフォっぽさ」を見抜くことが出来たのかなと。
結局「ユーフォっぽい」とは何?
じゃあ結局「ユーフォっぽい」って何だろうという話です。
あすかの反対にいるから「ユーフォっぽい」と結論付けるのも、少し根拠が足りない気がするので、もう少し考えたいと思います。
個人的に「普通っぽい、だけど弱い部分を支えてくれて、心の内を見透かして本質を突いていける人間」が「ユーフォっぽい」のかなと考えました。
このように考えた理由として「麗奈・奏から見た久美子」、「あすかと久美子の関係」「ユーフォニアムの特徴」があります。
麗奈・奏からみた久美子
麗奈から見た久美子はこうです。
「久美子ってなんか引っかかるの。普通のフリしてどっか見透かされてるような、気づいてなさそうで気づいてるような…」
『響け!』製作委員会『響け!ユーフォニアム』:黄前久美子・高坂麗奈
「なにそれ…」
「そして、いちばん痛いときにポロッと言葉になって出てくる…『本気で、全国行けると思ってたの?』」
「あれは…、あの時は…」
「だからなんか引っかかる。ギュッと捕まえてその皮はがしてやるって」
この「いちばん痛い時にポロっと言葉になって出てくる…」がポイントです。
久美子には相談者本人が傷ついているとき、無意識に本質を突いて本人を救う一言を言える才能があると分かります。
次に奏から見た久美子です。
「人畜無害ですって顔してるくせにズカズカ人の心に踏み込んでくる。みんなそのボケっとした顔に油断してつい本音を言っちゃうんです。」
『響け!』製作委員会『劇場版 響け!ユーフォニアム〜誓いのフィナーレ〜』:久石奏
このセリフは、どことなく久美子が好奇心で人間関係に首を突っ込んでしまうことを表しているように思えます。
これは久美子が持っている才能で、今まで吹奏楽部で起こった事件をなんだかんだで解決に導いてきたことにもつながります。
吹奏楽部全体で起こった事件の裏には目立たずも必ず久美子の姿があり、根っこから支えてきました。
また、このセリフをもう少し深読みするのであれば、「ズカズカと人の心に踏み込んでくる」=久美子自身がその人の支えになっているとも考えられます。
だからこそ、弱さを見せて本音を言えてしまう。
「もしかしたら自分を救ってくれるのではないか」という期待感を持たせてくれます。
そして、この期待感はあすかも持っていたものだと考えられます。
あすかと久美子の関係
あすかが久美子を家に招待したのも、自分の話を聞いて救ってほしかったからだと考えられます。
理由は2つあって、1つは「麗奈や夏紀が、久美子なら何とかしてくれると思っていること」2つ目は「あすかが普段履いている黒タイツを脱いで素足だったこと」があります。
特に2つ目は、あすかが本音をさらけ出したいという思いを表現しているように思えます。
そして、会話の中でも「あすかが母親を嫌い」だという本音を一瞬で突いていたり、「あすかがいつもと違う」ということを見抜いていたりと、あすかの核心を突いていました。
そんな核心を突かれたあすかは「吹きたくなっちゃった」と言って、久美子と一緒に河原へ移動します。
そしてこのセリフです。
「本当に聴きたいと思ってる?」
『響け!』製作委員会『響け!ユーフォニアム』:黄前久美子・田中あすか
「はい!」
「ふふっ、黄前ちゃんはほんと、ユーフォっぽいね。」
「私、自分のことユーフォっぽくないってずっと思ってたんだ。だから黄前ちゃん見たときびっくりしたの。こんな…こんなにユーフォっぽい子がいるんだって。」
「褒めてます?」
「褒めてるよ。だからからな、話聞いてほしいって思ったのは。」
ここで、あすかの本音を話した理由は、「ユーフォっぽい」久美子だったからだというのが分かります。
「特別」だと思われているあすかと違って「普通」と思われている久美子。
吹奏楽部の様々な事件の解決の裏にいたのも間違いなく久美子です。
口が滑って本質を突いてしまう久美子は間違いなく、ズカズカと人の心に入っていき、心の支えとなっていました。
そして、あすかの考えている本質さえも突いていき、心の支えとなっていきます。
だからこそ、「弱みを見せてもいいんだ」と考え、「ユーフォっぽい」久美子に素を見せていたと考えられます。
よって「普通っぽい、だけど弱い部分を支えてくれて、心の内を見透かして本質を突いていける人間」が「ユーフォっぽい」人なのかなと考えました。
久美子とユーフォニアムの共通点
ここで終わってもいいのかなと思ったのですが、上記で述べた通り、ユーフォニアムの特徴として「温かい音色で演奏を支える」「知名度がそこまで高くない」というものがあります。
久美子は吹奏楽部の様々な事件解決の裏にいました。
そんな久美子の様子は、まさしく温かくみんなを支えていたと言えます。
また、ユーフォニアムを選んだ理由も希望からもれてしまい、周りに流されたからでした。
やはりユーフォニアムの特徴からも、久美子は「ユーフォっぽい」と言えるのです。
届けたいメロディーとは?
映画の2期総集編のタイトルは「劇場版 響け!ユーフォニアム〜届けたいメロディー〜」です。
この「届けたいメロディ」とはどういう意味なのでしょうか。
これは最初、「あすかが父親に自分のユーフォニアムの音色を聴かせたいから」なのかなと思っていました。
ですが、もしかしたら、あすかが久美子へ向けた思いであるとも考えられます。
「黄前ちゃんに私の話を聞いて欲しい。黄前ちゃんに私の秘密の曲を聞いて欲しい。黄前ちゃんに私の秘密の曲を託したい。」
このように、あすかが久美子に届けたいメロディーはたくさんありました。
よって「届けたいメロディー」は、あすかから久美子へ向けた思いなのかなと思いました。
夏紀も「ユーフォっぽい」?
この考察をしているうちに「夏紀もユーフォっぽいのでは?」と思うようになりました。
「普通っぽい、だけど弱い部分を支えてくれて、心の内を見透かして本質を突いてくる人間」が「ユーフォっぽい」と仮定したとき、夏紀の行動と発言からも一致する部分があります。
例えば、久美子が夏紀を差し置いてコンクールメンバーに選ばれたときは元気づけています。
「ありがとね!黄前ちゃんのお陰で、少しうまくなれた気がするよ!」
『響け!』製作委員会『響け!ユーフォニアム』:中川夏紀
他にも、みぞれと希美の和解後の2人の関係を見て、少し嫉妬交じりなことを言った優子にもさりげない一言を言っています。
「でもさ、みぞれには、アンタがいて良かったと思うよ。」
『響け!』製作委員会『響け!ユーフォニアム』:中川夏紀
さらに、あすかが部に戻ってきたときにも、あすかを支えた一言があります。
「私、あすか先輩のこと、待ってたんですから。」
『響け!』製作委員会『響け!ユーフォニアム』:中川夏紀
どのセリフも、さりげなくその人の核心を突いて救われる一言を言っているんですよね。
こうやって見ていくと、夏紀にも「ユーフォっぽい」ところが見受けられたため、夏紀も「ユーフォっぽいのでは?」と考えました。
まとめ
この記事では『響け!ユーフォニアム』で登場する「ユーフォっぽい」とは何か、私なりの考察を紹介しました。
個人的に1期では何を考えているのか分からなかったあすか先輩の心情にフォーカスが当てられている2期は、面白いと思うと同時に苦しかったです。
だからこそ報われてよかったと思いました。
改めて、あくまで個人の勝手な妄想として楽しんでいただけたら嬉しいです。
第3期は2024年4月7日Eテレにて放送されるので、正座して待っていましょう。
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