『すずめの戸締まり』が伝えたいことは?

こんにちは。

『すずめの戸締まり』は鈴芽の言葉に温かさをもらえる映画です。

この記事ではそんな『すずめの戸締まり』が伝えたいことについて紹介しています。

個人の解釈であることをあらかじめご了承ください。

それでは行きましょう。

『すずめの戸締まり』が伝えたいこと

私は3つのメッセージを受け取りました。

以下になります。

・自分を大切に生きてほしい
・私たちの日常は当たり前じゃない
・その場所とそこに住んでいた人たちを想う

自分を大切に生きてほしい

「自分を大切に生きてほしい」というメッセージが込められているのではないかと考えました。

本作は、今までの作品に比べて特に、東日本大震災の被災について直接的に描いていると思いました。

災害というものは、今まであった私たちの日常を一瞬で壊していき、大切なものを奪っていきます。

主人公・鈴芽も奪われた1人でした。

そんな鈴芽の死生観は、「死ぬことは怖くない」です。

理由は運良くたまたま生き延びられただけだから。

だからこそ、自分の安全を顧みず危険なことにも真っ先に飛び込んでいました。

ですが、物語の終盤では「もっと生きていたい」という風に変化していき、自分を大切に今を生きようと思う気持ちが芽生えています。

そして、草太も閉じ師であるがゆえに、私生活よりも閉じ師の役割を優先していました。

友人の芹澤からは「自分を雑に扱いすぎる」とさえ言われ、自分を大切にしていないことが分かります。

ですが、終盤の草太の詠唱は

命が仮初だとは知っています。死は常に隣にあると分かっています。それでも今一年、今一日、今もう一時だけでも、私たちは永らえたい。

新海誠『すずめの戸締まり』:宗像草太

というものでした。

おそらく、「私たちの命はつかの間の物ですが、それでも今を長く生き続けていたい」といったような意味を込めているのだと思います。

このように、作中を通して鈴芽と草太は「今を生きていたい」と自分を大切に思うように変化しました。

序盤の2人の行動は、傍から見れば「勇気のある行動」だと思えますが、自分を蔑ろにしています。

世の中にも自分を犠牲にして仕事をし、世のため人のためと働いている人がたくさんいます。

ですが、それって実は自分の体にとってすごく悲しいことをしているのかもしれません。

綺麗ごとではなく、誰にでも自分を大切にして良い権利があります。

鈴芽と草太は、自分を大切に今を生きるようになりました。

だからこそ、「自分を大切に生きてほしい」というメッセージを伝えたいのかなと思いました。

私たちの日常は当たり前じゃない

「私たちの日常は当たり前じゃない」ということを伝えたいのではないかと思いました。

「行ってきます」、「いってらっしゃい」、「おかえり」

私たちの日常には、こんな言葉が溶け込んでいました。

当たり前のように「行ってきます」と言って、「いってらっしゃい」と送る。

そして、帰ってきたら「おかえり」と言って出迎える。

ですが、本作では地震の被害によって「おかえり」と言えなかった人たちの想いが描かれていました。

私が「おかえり」と言っている裏では、「おかえり」を言えなかった人がいる。

だからこそ、映画を鈴芽の「おかえり」という一言で締めたことは、決して当たり前なのではないと気付かされます。

「おかえり」と言えることは当たり前ではなく、奇跡にも近いもの。

このことから、「私たちの日常は当たり前なのではない」ということを伝えたいのかなと思いました。

その場所とそこに住んでいた人たちを想ってほしい

伝えたかったこと3つ目として、「その場所とそこに住んでいた人たちを想ってほしい」ということもあると思っています。

後ろ戸を閉めるために必要なのは、そこに生きていた人たちの声を聴くことでした。

作中でも、災害によって亡くなってしまった人たちの声がたくさん登場しました。

「いってきます。いってらっしゃい。気を付けてね。早く帰ってくるのよ。」

廃墟となっていましたが、そこには確かに建物、生活していた人の声や姿があるのだと認識させられましたよね。

また、後ろ戸が現れるも、その土地の想いが薄れていってしまうことが条件でした。

災害が起きたという出来事から、災害が起こったという事実に変わっていき、災害が起こっていたという歴史だけが残る。

すると、やがてそこにあった建物や住んでいた人たちの想いは風化していきます。

だからこそ、そこにいた人の想いを後世につないでいく。

あったはずの場所や存在していた人の声を聴いて、悼むことを忘れないで欲しい。

そんなことを伝えたいのではないかと思いました。

まとめ

今回は映画『すずめの戸締まり』が伝えたいことについて、私なりに考えたことを紹介しました。

過去の2作品『君の名は。』と『天気の子』に引き続き、自然災害をテーマとしている本作ですが、その結末は他とはまた違った温かさを感じられる作品でした。

この記事では『すずめの戸締まり』が伝えたいことを3つ紹介しましたが、まだまだメッセージはあると思います。

ぜひ、あなたもメッセージを受け取ってみてくださいね。

もしこの記事で、あなたの『すずめの戸締まり』の解釈が深まったら嬉しいです。

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